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人が人を好くということ−『WHITE ALBUM』と、アイマスMADシリーズ『永遠の嘘をついてくれ』(Ver 1.2 (3/7最終改訂稿))

メモ ゲーム 雑記 ニコニコ動画 ホワイトアルバム話

 いささか妙な言い方ではあるのですが、『ホワイトアルバム』ファン的に見て、凄まじい『アイマス』MADに出会ったので、思わず、というか。



 という訳で、ちょっと語ってみたいと思います。

 ちなみに、当方『アイドルマスター』本編は未履修ですので、『アイドルマスター』に関しては、多少記述に不正確な部分があるかもしれません。予めご了承下さい。

 というか、表題にあるように、ホワイトアルバムのファンであり、ネタバレを気にしない方は、アイマス未履修であっても是非是非、見て欲しいアイマスMADの話、というか。

 という訳で、以下、「WHITE ALBUM」と「アイドルマスター」のネタバレを含みます。予めご了承下さい。

WHITE ALBUM−その葛藤と優しさと

「私、冬弥君が、ずっとずっと、私の側にいてくれるんだと勘違いしてた。
会いたいって思ったら、いつでも会ってくれたし、電話しても、いつも出て話してくれて…。
だから私、自分のことだけに打ち込められるなんて、思っちゃって…」


違う。
それは、俺も由綺のことが好きだったから…。
俺の単純な『好き』で、由綺の足を引っ張りたくなかったから…。
それはポジティブに出ただけの、ただの俺のエゴに過ぎないんだ…。


「勝手だったんだよね、私…。
自分が成功すればするほど、冬弥君ももっともっと私を好きになってくれるなんて思いこんじゃって…。
お金で好きな人のことをなびかせようとしてる悪いお金持ちみたいに…」


「か、勝手なんかじゃ…」


どうなっても、由綺は由綺のまま、俺は愛せる自信があった。
だから、由綺の勝手なんかじゃない。
…今となっては、どう言っても言い訳にしかならないけど…。



「でも、冬弥君も悪いんだよ…」



「…………」



「冬弥君が、優しすぎたから…」

ゲーム「WHITE ALBUM」より(引用文中、一部省略あり)



 先日もhttp://d.hatena.ne.jp/settu/20080229/p5でちょっと触れましたが、私は『WHITE ALBUM』というゲームが大好きなのですね。いずれ、きちんと語りたいとは思いますが、とかく、あのゲームを評価する理由の一つに、徹底的に『葛藤』を描いた、という事があります。それも、「優しさ」を何処までも失わしめずに。
 『WHITE ALBUM』の基本構成は、単純化してしまえば、主人公には森川由綺という恋人(職業:アイドル)がいるのですね。しかし、主人公は、彼女や、主人公の互いの多忙さの故に、中々会う事ができず、森川由綺との関係に自信が持てず、弱気になってしまう訳です。そして、そんな風な状態のままで、数名の他のヒロインとの交流する中で、そちらのヒロインの方に気持ちが動いてしまったり(ぶっちゃけ浮気)、あるいは動きそうになりながらも、踏みとどまったりしながら物語が進む。そして、最終的には、
・森川由綺との関係を守ってハッピーエンドを迎えるか、
・それとも他のヒロインの誰かへの想いの方が強くなってしまい、森川由綺との関係を終了させた上で*1、そちらのヒロインとのエンディングを迎えるか、
・或いは、単に森川由綺との関係が遠くなった結果、誰ともハッピーエンドを迎えることなく、ただ、森川由綺との関係の終了が「示唆される」か、
の三択のいずれかの結末を迎える、というものです。
 客観的に見れば、主人公の行動はどう非難されても仕方の無いものです。そこに弁解の余地は無い。だが、それでも、人はそうなってしまうことは、ある。許されない事だと分かっていても、それが抑え切れないことは、ある。人の心は、どうしようもなく弱くなったりもするものだから。
 このゲームは、そんな、罪と分かっていても、己を抑え切れない、弱き人々の姿を描いています。主人公だけではありません。森川由綺以外のヒロインにしても、そう。彼女達は、皆、主人公だけでなく、森川由綺とも親しい間柄なのですから。当然、二人の関係は理解しているのです。でも、皆、悲しみを覚えながらも、押しとどめられない。さらに言えば、森川由綺もまた、そういう葛藤から無縁ではいられない。森川由綺の所属先の芸能プロダクションの若き社長*2である人物から、アプローチをかけられていたりするのです。仕事に追われ、主人公とも会えず、その孤独さに悩んでいる森川由綺にとって、そういった働きかけは簡単に拒絶し切れるものでもない。そして、森川由綺に対してそういう動きがある、という事もまた、それとなく主人公には伝わっていたりする。それがまた、主人公に葛藤を呼び起こす。そうして皆が、徹底的に悩み、己のうちでの、また、人と人の間の葛藤に苦しみながら、それでも、状況は進んでしまう。
 そして。
 主人公が、他の誰かのヒロインを選択することを決意した場合、何名かのヒロインのルートでは、明確な形で、森川由綺との関係を終了させねばなりません。
 想いが通じていない訳じゃない。否、それは確かな形で存在している。でも、たとえ強き絆であったとしても、それは、最も強き絆では無くなっていた。だからこそ、それは、絶たねばならない。二人の意思をもって。
 それらが、どこまでも哀しく、しかし優しく描かれます。
 私は、この別離のシーン(そして、その後描かれる主人公の後悔)こそが、ホワイトアルバムで最も凄い、素晴らしい部分だと思っています。
 こうなった理由は、色々ある。
 それでも、いまだに、互いに好意を、想いを寄せ合っている。
 だから、その絆は、いまだに確かなものである。
 だからこそ、そこにはいまだぬくもりがあり、血が通っている。
 だからこそ、それを断ち切るには、限りない苦痛と、出血に絶えねばならない。
 生きた、温かな絆を、生身を切られる苦痛、肉を裂かれる激痛をもって、断ち切らねばならない。
 耐え切れなくても、耐えねばならない。
 この作品、本当に読んでいてこちらが辛くなる事が多かったりします。でも、それでも、物語は進む。
 そして、分かるのが、そこにある、人間達に対しての、どこか感傷の入り混じった、とても優しい視点。
 許されない事なのだろう。他者から見れば、情けない人間達の、くだらない話、なのだろう。でも、それを慈悲の目で見つめることまで、否定しなくてもいい。
 人は、未練やとらわれ、今の気持ち、そういったものにどこまでも弱いのだから。
 そんな人の悲しさが、葛藤が、優しさをもって語られている。それは、間違いなく、一つの、人間達の物語な訳です。
 正直な所、私は、この作品は誰かとの絆を「結ぶ」シーンよりも、この、絆を「断ち切る」シーンにこそ、一つの真髄があるように思っています。
 好き合っていても、それでも離れる、その、哀切。
 そして、離れて初めて分かる、失ったものの大きさ。


 冒頭で引用したシーンは、そんなシーンの一節です。「冬弥君が、優しすぎたから…」という優しい叱責。何とか、互いの傷を深くする事の無いよう、という配慮の中での会話で、ふと出てきた哀しい本音。


 この、主人公と森川由綺のシーンがあるからこそ、私にとってホワイトアルバムは大きな意味を持つ作品でもあるのです。


アイマスMADシリーズ「永遠の嘘をついてくれ」にあるもの

いつか、アイドルを辞めたら、戻ってきても、
いいですか?



ああ。その時は、この話の続きをしよう。
もし、気持ちが変わっていなければ。



変わるわけないですっ。プロデューサーさんは、
今も、そして、これからも……
私にとって、生涯ただひとりの、代わりの
きかない人ですから。

ゲーム「THE IDOLM@STER (Xbox 360)」より


 さて、そんなこんなで、表題のアイマスMADシリーズの話なのですが。

 『THE IDOLM@STER (Xbox 360)』には、11人のヒロインが居ます。主人公は新人のプロデューサーであり、彼女らをアイドルとしてプロデュースする、と。
 そして、簡単に言えば、彼女らの人数分(ただし、双子のユニットがいるのでそこは二人で一人分となる)の、それぞれベストなものや、そうでない各ランクのエンディングが用意されている訳ですね。
 ところが、彼女らの中で、メインヒロインの天海春香*3のベストエンディングに関しては、ファンの間でかなり議論というか、不満、疑問の声が出ていたりするようです。というのも、他のヒロインの場合、基本的にはベストエンディングでは、主人公は彼女らと添い遂げる*4事になるのですが、天海春香の場合だけ、主人公は、彼女を、つまり女性としての天海春香を受け入れる事を拒絶するのです。そして、他の誰かのプロデュースを始める*5
 その行動は「正しい」ものなのか。そして「何故」なのか。プレイヤーはそこに疑問を持ってしまったりもする。


 さて、そこでこのアイマスMADなのですが。


(テキストリンク)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm897577


 このMADを見ると、天海春香エンディングがどれだけ特別であるか、そして、そこにはどんな物語が暗示されているか、それが実に見事に描かれています。特に、「拒絶」が、彼女にとってどういう意味を持っていたか。
 彼女は、「特別」なのか。「特別」とは、どういうことなのか。拒絶された彼女は、何を想うのか。何を、待つのか。
 

 そして、何が、『嘘』だったのか。


 
 歌自体、実に名作なのですが、それを基としたこのMADもまた、本当にいい。

 様々な想像を行う事が許され、だからこそ奥深い作品であるのでしょうが、とかく、彼女のエンディングが「特別」である理由に、思いを馳せることが出来る。そんな、素晴らしい名品です。


 そして、ある意味、ここからがさらに本題なのですが。
 この作品には、続編がありました。


(テキストリンク)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1509522
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1601315
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1842095
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1842340


 こちらは、もうMAD製作者の方である、鳩P氏が組み上げた、オリジナルストーリーと言うべきものなのですが、それが、衝撃でした。

 
 そこにあるのは、どこまでも純粋な想い、どこまでも哀しい葛藤、そして、どこまでもどうしようもなく、弱く、切なく、愚かしく、未練がましい、人間の姿。

 私は先ほど、『ホワイトアルバム』について、読んでいて辛くなる事が多かった、と書きました。それは、そこにある葛藤を、自分自身が、プレイヤーとして受け止めるのが、本当に辛い事だったから。
 選択肢どころか、ただの文章を進めるだけの1クリックに、10分以上の時間をかけてしまったことすら、あった。
 どうにも辛く、どうにも痛くて。
 自分にとって、『ホワイトアルバムは』、それぐらい、辛く、大きな作品だった。


 そして、この上記MAD、特に「言葉」を見た時に、まさにそんな気分を味わったのです。
 主人公が何をしようとしているか、その内容を予感した時に、その辛さ、痛さに、思わず動画を一時停止させてしまった。
 そして、それを再開させるのに、随分苦労してしまった。
 
 まさに、自分としては、ホワイトアルバム以来の体験を、期せずしてこの動画でまた味わってしまった訳です。

 
 尚、上記MAD、是非とも、歌詞に注意して、ご覧になって頂きたいと思います。歌詞と意味との重なり方が、実に、意味深いものになっています。


 また、上記MADを一通りご覧になった後に、鳩P氏の「編集後記」http://www.nicovideo.jp/mylist/3689511もご覧になって頂きたいと思います。それぞれのMADの意味、物語が解説されています。(正直な所、最初のMAD「永遠の嘘をついてくれ」に関しては、個人的な解釈と、本来の設定とは理解が異なる部分があったのですが、それはまたそれで味わい深い事でした。)
 そしてまた、半ば本稿の趣旨からは余談ですが、そこには、一つの事実が明かされています。

何故、こんな結末になったのか。
それは「永遠の嘘をついてくれ」で
皆さんがつけてくれたコメントの力と言うほかありません。
ありがとう、この結末を見せてくれた皆さんに感謝。  


 コメント、つまり、ファンの願いが、物語に意味を与え、その結末までを変化までさせてしまった。
 人々の願いを集め、それで、何かを具現する。
 それこそ、まさに「アイドル」という存在なのではないか、という気もします。
 だからこそ、その力があるからこそ、アイドルマスターにおいて、天海春香はあのエンディングを迎える権利・・が与えられた、唯一のヒロインなのかも知れません。



 ただ、それでもやはり、彼女もまた、一人の女の子なのです。


 だからこそ。





 また、これは、さらに余談になることですが、上記の鳩P氏の「編集後記」で明かされた裏設定とは異なってしまうのですが、言わば、基となった歌の歌詞の通りに、あの段階で既に主人公は「嘘」をついており、また、春香も、その「嘘」をどこかで認識した上で、信じようとしている、という解釈も味わい深くて好きだったりします。
 

君よ永遠の嘘をついてくれ
いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ
なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ

「永遠の嘘をついてくれ」吉田拓郎/作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき




 本来のこの「永遠の嘘をついてくれ」の歌詞の意味合いに関して、「ニャンちゅう」氏がhttp://www.begets.co.jp/doda/archive/064.htmlにてこのように述べておられます。(尚、コラム全文が素晴らしいので、是非リンク先をご覧になって頂きたいのですが。)

 歌は、自分の許を去った男に向かっての未練だった。

なのに 永遠の嘘を聞きたくて
今日もまだこの街で酔っている

 女は自分が捨てられたことに薄々と勘づいている。男はやさしさなのか、優柔不断なのかは知らぬが、まだきっぱりと女に訣別を告げてはいない。

君よ永遠の嘘をついてくれ
いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ
なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ

 女は事実をはっきりとさせてくれない男に腹立ちも覚えるが、女自身も現実を見ようとしていないことを知っている。知ってはいても、現実を見ることが怖くて仕方ない。
 『永遠の嘘をついてくれ』は、そんな男女の訣別の機微を巧みに表現していた。


 この意味合いを噛み締めた上で、「永遠の嘘をついてくれ」の歌を、そして、それを基にしたMAD「永遠の嘘をついてくれ」http://www.nicovideo.jp/watch/sm897577を味わって頂くと、また、その意味が深く感じられるのではないかと思います。


春香はPに捨てられたことに気が付いてて
それでも嘘をついて欲しかったんだね…

(MAD「永遠の嘘をついてくれ」に書き込まれたコメントより)



 分かっていても、彼女はそれを信じようとした。


 本来の天海春香のベストエンディング自体、そういう風にも読み取れるものでもある。あの時点で、本気で、主人公が春香の事を想おうとするのなら、「ここからは、やっぱり別の道をいこう」などという台詞は簡単には言える筈無いのですから。時間を置く間、彼女の気持ちが変わらない保証など、何処にも無い。だからこそ、彼は他ヒロインのエンディングでは、ヒロイン達を受け入れている、とも言える。否、むしろ彼は、天海春香の気持ちが変わることを期待しているようにすら、見える。そう見られても、或いは、そう受け取られても仕方が無い。


 MAD「永遠の嘘をついてくれ」の特に見事な部分として4:04から5:25までの一連のシーンが挙げられるかと思います。ここで描かれるのは主人公に「約束」を語りかける天美春香の言葉と、それと重なるように流れる、天美春香以外のルートで、主人公に受け入れられた事を喜び、幸せそうに主人公に語りかけるヒロイン達の姿です。MADを見た人は、否応も無くその意味を認識させられる。或いは、天美春香自身も。



 それでも、彼女は信じようとした。信じたかった。「二人」には、まだ未来があると。
 それが嘘だというのなら、その「嘘」を、ずっと信じたかった。


なのに 永遠の嘘を聞きたくて
今日もまだこの街で酔っている
永遠の嘘を聞きたくて
今はまだ二人とも旅の途中だと

 MAD「永遠の嘘をついてくれ」の続編である、MAD「過ぎ去りし永遠の日々」で語られたことの側面の一つも、つまりは、そういうことでもあったのですから。

 その哀しさも、また。




ひとである、ということ−たとえ、つみびとと呼ばれても


 人が人を好くということ。


 人が誰かを好きになる。誰かに想いを寄せる。或いは、誰かに好かれる。誰かに想いを寄せられる。
 それは、誰にも、どうしようもないこと。


 上記MAD「言葉」では、主人公たるプロデューサーの行動に対しての非難と、怒号のコメントが集中していたりもします。事実、彼はそのような非難を受けるだけの何かを犯したかもしれない。
 どう考えても、擁護のしようが無いかもしれない。
 でも、それでも私は、彼を非難する気にはなれませんでした。
 恐らくは、そこで歌われているように、ひたすら三ヶ月悩み続けた、それこそ、血反吐を吐くような思いで悩み続けた、そして、そのどうしようもない苦痛のなかで、やっと「たった五文字の道しるべ」を見つけたのであろう、主人公のことを。

そう三ヶ月悩んで来たよ
そして最後の三日は苦しみ
心の暗い迷路で
たった五文字の道しるべ見た
「愛してる」

「言葉」吉田拓郎/作詞:松本隆 作曲:吉田拓郎


 それが、ひと、だから。


おまえら、ほんとにこんな時に自分の気持ち殺せんのか?

(MAD「言葉」に書き込まれたコメントより)




 それもまた、人が人を好くということ。


「人が人を好くということは、誰にもどうしようもないことじゃ。避けられんし、逆らえん。人はみな、そのことでよろこびや苦しみや悲しみを背負いこむ。あわれというか、かなしいことよな。だけど、人は生きている限りは、それから逃げられん」

稲見一良著、『セントメリーのリボン』内、作品『焚火』より)




 上記文章は、稲見一良の短編小説、『焚火』内の一説です。この小説の中で、主人公は、己のせいで妻を失ったようなものだ、と、静かな自責の思いを述べる老人に対して、彼自身の「罪」を告白します。


「実は、わたしもです」
 おれはそう言っていた。
「もう気づいておられるでしょうが、わたしは追われている者です。他人(ひと)の女と逃げたのです。女は、追っ手に撃たれて……」
 老人は火を見つめたまま、俺を見ようとしなかった。冬枯れの野末に果てた女の姿態が瞼に浮かんだ。いとおしさがこみあげた。
「わたしだけがおめおめと生き残って、こうして逃げているのです」
 恥辱がおれを焼いた。

 そんな彼に対し、老人は、「まるで自分の心の中に語りかけるよう」に、「生き残ること」が大事だ、と言います。
 そして、老人は、先ほどの引用の台詞を、述べるのです。




 逃げられない。だから、どうしようもない。
 ただ、ひとは、ひととして、苦しみや悲しみを背負ったまま、生きていかなければならない。
 
 時には、それで誰かを傷つけ、誰かを裏切り、誰かを悲しませても。

 勿論、それで傷つけられた人には、それに抗議し、そして、彼ら、彼女らの全てを非難し、否定する、否定し切る権利がきっとある。でも、それでも、それは、時として、起こってしまう。

 だから。

 たとえ、その罪を、一身に背負ってでも。
 たとえ、つみびととなっても。
 それでも、人は生きていかなければならない。


 『White Album』の主人公とヒロイン達も、『アイマス』の主人公と春香も。





『私、誰からだって冬弥君取り上げるんだから…!』




『…嘘…ですけどね…』




『どうして…私なんか……どうして私なんか好きになるの…?』




『私、冬弥君と寝たの──』




『…私が来るまで、せいぜいお姉ちゃんとラブラブしてなさいよね、藤井さん…!』




『ゲームセットだな、青年』




『なんで…僕を殴らないんだよ……? …どうして「美咲さんは渡さない」って言ってくれないんだよっ…?』




『…由綺が泣いちゃうなら…私のこと、忘れちゃっていいよ…』

(ゲーム『White Album』より、各登場人物の台詞(引用参考:http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1198763635/1))



「冬弥君が、優しすぎたから…」


何も…言えない…。
俺をなじるその声が、ひどくひどく、温かかったから。
こんな春の日みたいな会話も、ただただ懐かしく、愛おしかった。
ついこの間まで、これが普通の日々だったなんて信じられない気持ちだ。
俺は何を手に入れて、何を失くしたのか、いずれ判ってくるだろうとは思う。
だけど今は、悲しさを感じながら、この気持ちは変わらないと思う。
それは、確実に。
そして不意に、由綺は俺の背中にすがりつく。
由綺の、寂しい時の癖だ。
そして、多分、最後の。


「…結局、私、冬弥君を、嫌いになんてなれないから…」

(ゲーム『White Album』より、冒頭の引用に続く一節)








プロデューサーさん、、



あの約束、
覚えていますか?



わたしのこと、
忘れてないですか?



わたし、
 アイドルをやめたら


プロデューサーさんの
        ところに


きっと戻りますから。



わたしのこと、
待っててくださいね。










プロデューサーさん、、



うそつき。

(上記MAD、「永遠の嘘をついてくれ」より、天海春香の独白(4:04から5:25までの一連のシーン))



『なんで?
どうして・・・』




『でもこれだけなんだ、春香。
愛してる。』

(上記MAD、「言葉」より)






 人が人を好くということは、こんなにも、哀しい。


 だからこそ、(或いは、上記MAD「LiveForYou(歌をあなたに)」に出てきた人々のように、)私は、それぞれの、そしてその周囲の人々の幸多からんことをただ願ってやまないのです。



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*1:例外はありますが。

*2:同時に、森川由綺を指導する天才的プロデューサーでもあります。後述する『アイドルマスター』では、逆に、主人公はヒロインを指導する新人プロデューサーな訳で、そういった差異を見比べるのもちょっと面白いかも知れませんね。

*3:参照:「本作のアーケード版におけるメインヒロイン(XBOX360版のパッケージイラストでは、センターの座を星井美希に譲っている)。」http://ja.wikipedia.org/wiki/THE_IDOLM%40STER%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9

*4:双子に関しては、兄&妹達としての絆を結ぶ

*5:ここの部分は全員で一緒ですが。