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参院選と年金問題/社保庁改革と攻勢防御

 どうもです。

 さて、もうすぐ参院選ということもあって、与野党の論戦その他も色々と激しくなっていると思われるこの頃ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。

 さて、それはともかく参院選なのですが、とにもかくにも年金問題がクローズアップされていますね。私自身はこの問題に関してそれほど勉強もして居ないので、あまりええかげんなことも言えないと思うのですが、数日前(2007/7/23)の読売新聞朝刊に、とても興味深い記事がありました。

 それは、「地球を読む」というコーナー(1面及び2面)にて掲載された、「年金記録問題/社保庁腐敗 国鉄を想起」という記事です。著者は、JR東海会長:葛西敬之*1。かつての国鉄改革と比較しながら、社保庁改革に関して述べられているのですが、社保庁に関して

その有り様を見るにつけ、私自身が渦中に身を置いた国鉄の改革の時代のことが思い起こされる。

と述べているように、実際に国鉄改革に関わった方の記事ということもあって、なかなか説得力のある記事になっています。ちなみにこの方は、総務省に設置された「年金業務・社会保険庁監視等委員会」の委員長*2の方でもあります。2ch的には、所謂、大陸中国への新幹線売却問題の反対派ということで有名になった方、でもありますね。

 そして、記事なのですが、国鉄の腐敗、そしてその後の改革・民営化断行の経緯について言及した後に、こう述べているのです。

 年金記録の不備は国鉄と同様、長年にわたる労務管理不在の結果であり、そのことを現政権の責任に帰するのは不公平である。

 そして、寧ろこれからどうするかである、と。


 言われてみれば本当に当たり前のことなんですが、マスコミの皆さんその他の論調は、何故か、何となーく、これが安倍さん叩きに直結しているような印象も受けたりするんですよね。いや、印象ですが。
 そして、その安倍さんの政策に関して、葛西氏はこう述べられています。

 その観点から見ると、毅然として国会の会期を延長し、「日本年金機構法」を成立させるとともに、時効による支給漏れを防ぐ「年金時効特例法」を急遽定めた安倍政権の危機対応能力は評価に値する。

 なるほどなぁ、と。

 あまり肯定的な評価は新聞その他では見られなかった気がしたので、とても新鮮な指摘だったり。

 その後、国鉄社保庁の比較に関すること等々、とても勉強になる話が続くのですが、その後、気になる部分が出てくるのですね。

 曰く、国鉄における規律の乱れは利用者の批判を呼ぶ。また、私生活を顧みず列車運行を守り、国鉄改革実現を求める声をあげた人々が居た*3、と。ところが、社保庁にはそういった事情は無いから、底無しに際限なく腐敗が進行してしまった、と*4

 そして、以上のような理由から、年金記録の不備問題の発端が内部告発だったとしても、それは国鉄の時のような改革を求める声とは「全く異なる」のでは、とした上で、こう指摘されているのです。

 それでは何故今日になって内部告発が発生したのか。「日本年金機構法」が上程されたことにより、これまで腐乱の限りを放置してきた社会保険庁も、早晩その実情を天下に知られざるを得なくなったことが背景にあると思われる。いずれ露見するのならという訳で内部告発による攻勢防御に転じたのだろう。「改革の要請」としてではなく、「改革への向かい火」としての内部告発と思わざるを得ない。

(強調引用者)

 攻勢防御。なるほどなぁ、と。
 無論、これは「年金業務・社会保険庁監視等委員会」委員長であるこの方のご意見、予想であり、何ら確証の無い話なのかも知れませんが*5、一つの見方として、なかなか興味深いものと感じました。仮に、これが事実だとすると、社保庁問題が見事与党批判の方向になっている今日の状況は、ある意味、ある方向の人々にはある程度狙いどおり、なのかも知れませんね*6。まぁ、それが政権選択を意味しない*7のは、ある種の皮肉ではありますが。

 
 とかく、一回実際に読んでみる価値のある記事かと思います。
 
 尚、このブログネタを書いている最中に、こんな記事を発見したり。


「5千万件精査」未着手の社保庁に勧告=監視委の意見具申受け−菅総務相
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2007072700900

 社会保険庁の業務を監視する総務省の「年金業務・社会保険庁監視等委員会」(委員長・葛西敬之JR東海会長)は27日、同庁が宙に浮く年金記録5000万件の実態を精査する作業にいまだ入っていないとして、善処を求めるよう菅義偉総務相に意見具申した。これを受けて総務相が同日、柳沢伯夫厚生労働相に勧告を行った。
 監視委の意見具申などによると、基礎年金番号に未統合の5000万件の存在が今年2月の予備的調査で判明した際、安倍晋三首相がその実態について詳しく精査するよう指示したにもかかわらず、現時点で作業に着手していないという。

 
 既にそちらの委員長として、活動なさっておられるのだなぁ、と。
 


 ちなみに、葛西氏は改革案として、最後に二つの提案をして、記事を締めくくっておられます。
 
 ・社会保険庁のあらゆるレベルの新規採用を廃止すること。
 ・新機構へは、現職のうち、勤務成績の良い者だけを新規採用として採用すること。


 二つ目の提案に関しては、社保庁の中の人にも生活その他色々あると思うので*8、なかなか大変だろうと思うのですが、某労組が支持基盤という某党なんかは、やっぱ当然こういう提案には反対なんだろうなぁ。
 

*1:http://www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E8%2591%259B%25E8%25A5%25BF%25E6%2595%25AC%25E4%25B9%258B/

*2:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070717k0000e010042000c.html

*3:引用元記事より:『国鉄の職場管理が最悪の当時ですら、日本の鉄道は世界で最も安全・正確・安定的な運行を誇っていた。それは現場管理者たち(非組合員)、穏健な労組に加入している職員たち、それに非現業職員たち、合わせて10万余りの人々が私生活を顧みず、列車運行を守っていたからである。』

*4:私自身は、社保庁の中にも真面目に仕事をこなしていた官僚の方その他も一杯いらっしゃったのではとも思うので、この辺りの判断は難しいなぁ、とは思うのですが

*5:いわゆる「陰謀論」になってしまうのかどうかは、私には判断が出来ないので保留ということで。

*6:いや、これはもうただの無責任な私の感想ですヨ?

*7:と、最近与党方面の方が良く言っておられますが、まぁ、事実ではあります。この時期に言い出すと、どう見ても予防線です、にはなってしまう面はありますが。

*8:ネタかどうかは不明ですが、こんなスレもあったり。http://blog.livedoor.jp/blog_ch/archives/50902034.html